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JAL国際線の座席クラスは、最大で次の4つのクラスに分かれています
- ファーストクラス
- ビジネスクラス
- プレミアムエコノミー
- エコノミークラス
(路線によってはファーストクラスやプレミアムエコノミーが導入されていない路線もあるため、「最大で」と記載しています)
ビジネスクラスでもない、エコノミークラスでもない、ちょうどいい位置づけのJALプレミアムエコノミー
JALプレミアムエコノミーは、ビジネスクラスとエコノミークラスの合間を埋める座席クラスになります。
・ビジネスクラスではあらゆるサービスが十分すぎる、過剰すぎるから、あえてプレミアムエコノミー
・いつものエコノミークラスより贅沢したいけど、ビジネスクラスには到底手が届かないからプレミアムエコノミー
プレミアムエコノミーは、食事の量や、CAさんとの距離感などにおいて、エコノミークラスやビジネスクラスとは違う、バランスのとれた、ちょうどいい心地よさがあります。
この記事では、普段エコノミークラスに乗っている人が、プレミアムエコノミーに乗りたくなるような、2つの座席クラスの違いについて、詳しくご紹介したいと思います。
【違いを数字と写真で比較】JALプレミアムエコノミーとエコノミークラスの差は意外と小さい?
JALプレミアムエコノミー(プレエコ)とエコノミークラスを比較するにあたり、気になる項目をいくつか書き出し、それぞれの値を表にしてみました。
項目\クラス | エコノミー | プレエコ |
シート間隔 | 86cm | 107cm |
シート幅 | 47cm | 48cm |
リクライニング角度 | 不明 | 不明 |
モニターサイズ | 10.6インチ | 12.1インチ |
ここは違いすぎる!シート間隔は20cmの差でプレミアムエコノミーの圧勝
まずは、シート間隔、つまりは前の座席との間隔を見てみます。
専門的にはこの前後の間隔のことをシートピッチと言い、足元の広さを示す重要な値となります。
項目\クラス | エコノミー | プレエコ |
シート間隔 | 86cm | 107cm |
プレミアムエコノミーとエコノミークラスのシート間隔は、20cmという大きな差があります。
足元に20㎝の余裕。これだけあれば、足を組んだり、組み替えたりする余裕もありますね。
とはいえ、エコノミークラスでも86㎝のシートピッチと広々しているため、女性や小柄な方ならこちらでも十分足が組めそうです。
シート幅はエコノミークラスが優秀のため、ほぼ同等
クラス | エコノミー | プレエコ |
シート幅 | 47cm | 48cm |
次にシート幅に注目してみます。
ここに「プレミアムエコノミーは指4本分広い!」とデカデカと書きたかったのですが、実際の違いは指1本分もありませんでした。
比較2つ目にして「違いなし!」と書くのもなんだか寂しいので、チラっとANA国際線エコノミークラスのシート幅をチェックしてみました。
すると、「ANAエコノミークラス:座席幅43cm(16.5−17インチ)」との記載がSeatguruというサイトに載っていました(公式ANA HP内には記載なし)
JALとANA、そしてエコノミークラスとプレミアムエコノミー(プレエコ)をまとめて表にしたのがこちら▼
会社\クラス | エコノミー | プレエコ |
JAL | 47cm/19インチ | 48cm/19インチ |
ANA | 43cm/16.5-17インチ | 49cm/19.3インチ |
なるほど。。。
JALプレミアムクラスとエコノミークラスの座席幅には違いはない、
なぜならJALエコノミークラスが優秀だから!
こういうことなんですね。
JALエコノミークラスが、他社に比べて優秀すぎた。だから自社プレミアムエコノミーとのはっきりした差が無くなってしまった、と。
ちなみにエアバス社の研究によると、座席幅と機内での睡眠は大きく関係しており、18インチを推奨しているとのこと。
これを満たすのは、JALのエコノミークラスとプレミアムエコノミー、そしてANAのプレミアムエコノミー。
残念ながらANAのエコノミーはこのエアバス社の推奨幅には4〜5cmほど及ばないようです。
【参考】エコノミー座席幅の1インチ差は快適性に大きく影響、長距離は18インチ推奨 | エアバス
【引用元】http://www.travelvoice.jp/20131112-11752
リクライニング角度はともに不明。しかしリクライニングの仕方に大きな差がある!
シートのリクライニング角度が気になる人も多いでしょう。
残念ながら、プレミアムエコノミー、エコノミークラスともにリクライニング角度は公式サイトには掲載がありませんでした。
実はJALエコノミークラスは通常のポジションでも少し大きめの角度が付いていて非常に座り心地がいいんです。
リクライニングが10cmもしなかったエコノミークラスの最後尾であっても、さほど苦痛には感じなかったのは、この通常時の角度、座り心地のせいかもしれません。
──「エコノミークラスでも快適と言うなら、座席幅と同様にリクライニング角度の比較でも、プレミアムエコノミーとエコノミークラスに大きな差はないのか?」
と聞かれると、この2つの座席クラスには単純にリクライニング角度を比較するのとは違う、リクライニング機能に大きな差があることにも触れておかねばなりません。
JALプレミアムエコノミーのリクライニング機能はシェルタイプ
エコノミークラスは通常のリクライニングシートですが、プレミアムエコノミーはシェルタイプのリクライニングシートなんです。
背もたれが倒れるのではなく、座面が少し前に出て、その隙間に背もたれが沈み込むタイプ。
シェルタイプの場合、リクライニングをすることで若干足元が狭くなってしまうのが難点ですが、最大のリクライニングを利用したとしても、後ろの方には一切の迷惑をかけません。
また、前の方が常にMAXリクライニングをする方であっても、こちらには何も影響がないのです。
JALプレミアムエコノミーのリクライニングについて触れるときは、この機能のことを忘れてはいけませんね。
(ちなみにANAのプレミアムエコノミーはシェルタイプではない通常タイプのリクライニング機能)
モニターサイズは1.5インチの差がある!
項目\クラス | エコノミー | プレエコ |
モニターサイズ | 10.6インチ | 12.1インチ |
JALプレミアムエコノミーのモニターは12.1インチ。一方、エコノミークラスは10.6インチ。
少しイメージしにくいので、縦横の長さでも比較してみましょう。
プレミアムエコノミーの12.1インチのモニターは、エコノミークラスの10.6インチのモニターに比べて、幅にして3.3cm、高さにして1.8cm大きくなります。
エコノミークラスのモニターから、黒い枠の分だけ画面が大きくなったのがプレエコのモニター、というと分かりやすいでしょうか。
長いフライトだと12時間を超えるものもあります。1回のフライトで映画を4,5本観るという方もいらっしゃるかもしれません。
映画は大きなスクリーンで観た方が迫力ありますよね!
たとえアクション映画でなく恋愛映画だとしても、きれいな女優さんのお顔は大画面で拝みたいものです。
※プレミアムエコノミークラス最前列の座席は、モニターが足元から出てくるタイプのためモニターサイズが2列目以降と異なります。
【数字で表せない】JALプレミアムエコノミークラスの機内サービスは充実!
続いて、数字では表せないJALプレミアムエコノミーとエコノミークラスの違いについて見ていきましょう。
ノイズキャンセリングヘッドフォンが利用できる!
エコノミークラスはよくある安っぽいヘッドフォンですが、プレミアムエコノミーはSONY製のノイズキャンセリングヘッドフォンが使用されています。
機内でノイズキャンセリングヘッドフォン、利用されたことありますか?
エンジンの”ゴー”という音がほとんど消え、映画の声や音楽も聴き取りやすくて非常に快適なんです。
ぜひ、このノイズキャンセリングヘッドフォンを機内で試して欲しいですね。
機内食、飲み物ともにプレミアムエコノミーならプレミアムな楽しみが少し増える!
JALプレミアムエコノミーでは、エコノミークラスと同じ機内食・ドリンクが提供されます。
しかし、JALプレミアムエコノミーでは、エコノミークラスで提供されるメニューに加えて、これらの食事・ドリンクメニューが追加されます。
- スイーツ
- 間食(うどんですかい)
- 焼酎
- シャンパン
- ペリエ
ほんの少しですが、エコノミークラスでは味わえないものが楽しめます。
確かにビジネスクラスの機内食に憧れはありますよね。
でも、搭乗前にラウンジや空港のレストランでしっかり食事をしたい方や、少食の方だと「座席は広い方がいいけど、食事は普段のエコノミーで十分」と考えることもあるはず。
そんな方には、この「エコノミークラスの食事+α」というプレエコの食事がちょうどいいかもしれませんね。
アメニティもエコノミークラスに比べて1点多い!
エコノミークラスでは、歯ブラシ、耳栓、アイマスクといったアメニティキットが配られるJALですが、プレミアムエコノミーだと「保湿マスク」が加わります。
うーん、微妙な差。無いよりマシ…かな(笑)
【大きな違いは実はココ?】JALプレミアムエコノミーの空港サービス、エコノミークラスに比べて大きな差がある!
エコノミークラスとビジネスクラスの間に位置する”プレミアムエコノミー”
しかし、機内でのプレミアムエコノミーとエコノミークラスの差は、思ったより小さいものに私は感じました。
あなたはどう感じられましたでしょうか?
さて続いては、飛行機に乗るまでの空港でのサービスをチェックしてみたいと思います。
実はプレミアムエコノミーとエコノミークラスには、「チェックインカウンターでの扱い」「空港ラウンジの利用」といった空港でのサービスに大きな差があるんです!
専用チェックインカウンターが利用できると、チェックイン手続きに並ぶ時間が短縮できる!
飛行機に乗って海外に行くとき、まずは空港に着いたらチェックインカウンターに向かいますよね?
プレミアムエコノミーに搭乗するときは、これらの空港で専用チェックインカウンターが利用できます。
- 日本:成田、羽田、関空、中部
- アメリカ:ニューヨーク(JFK)、シカゴ、サンフランシスコ、ロサンゼルス
- 欧州:ロンドン、パリ
- オーストラリア:メルボルン
また、ここに載っていない空港から出発するときは、ビジネスクラス用のカウンターを利用することができます。
私自身、JALもANAも上級会員なので、常に専用のチェックインカウンターを利用できるのですが、エコノミークラスのチェックインカウンターって最近とても混雜していることが多いんですよね。
プレミアムエコノミーならチェックインカウンターでの長い行列がパスでき、サクッと搭乗手続きができる!これはありがたいですね。
ビジネスクラスと同じサクララウンジが利用できるプレミアムエコノミー
プレミアムエコノミーを利用されるときは、出発前に空港ラウンジを利用できます。
ビジネスクラスに搭乗される方と同じサクララウンジに、プレミアムエコノミーでも利用できるというのは大きな差ですよね!
▼成田空港をはじめ、国内の空港から出発するときは、ビジネスクラスとほぼ同等の利用基準です。
一方で、海外の空港から出発するときは、プレミアムエコノミークラスでは一部のラウンジしか利用できないなど、利用基準に若干の差があります。
JALプレミアムエコノミークラスに乗る方法。気になる差額は?
この記事を読んで「おっ、JALのプレエコ乗ってみたいかも!」と感じていただけたらうれしいですね。
そんな方のために、続いてはJALプレミアムエコノミークラスに乗る方法をご紹介します。
プレミアムエコノミークラスのチケットを購入
まずは一番定番の方法です。
普通にチケットを購入して乗ってください。早期購入なら少しお得に購入することができます。
プレミアムエコノミークラスが設定されたツアーを利用
航空券単独ではなく、ホテルとセットになったパック商品や、現地での観光や添乗員付きツアーであっても、プレミアムエコノミークラスを利用できる商品があります。
- JALダイナミックパッケージ(航空券とホテルがセットになったパック商品)
- JALパック(航空券、ホテル、現地送迎、観光などがセットにツアー商品)
- JTBやH.I.S.などでもJALプレミアムエコノミークラスを利用した商品があります
マイルを利用した特典航空券でプレミアムエコノミーを予約
JALのプレミアムエコノミーは特典航空券でも利用することができます。
エコノミークラスとプレエコを両方並べた往復分の必要マイル数はこちらです(一部のみ抜粋)
方面\クラス | エコノミー | プレエコ |
東南アジア | 35,000 | 50,000 |
北米 | 50,000 | 65,000 |
ヨーロッパ | 55,000 | 70,000 |
当然ながらエコノミークラスに比べて必要マイル数は増えますが、往復で15,000マイルの差なら手が届きやすいのではないでしょうか。
フライト時間が伸びても、追加するマイルが変わらないのはありがたいですね。長距離でこそ乗ってみたいものです。
特典航空券を、マイルを利用してアップグレード
特典航空券をお持ちの方が、当日空港で”追いマイル”することでプレミアムエコノミーを利用できるサービスがあります。
JAL国際線特典航空券 上位クラスへの変更 空港当日申し込みサービス
▼片道あたり、アップグレードに必要マイル数はこちら(一部のみ抜粋)
方面\必要マイル(片道) | エコノミープレエコ |
東南アジア | 7,500 |
ヨーロッパ | 7,500 |
北米 | 7,500 |
有償チケットを、マイルを利用してアップグレード(事前・当日)
マイルを使ってエコノミークラスのチケットをプレミアムエコノミーのチケットへとアップグレードさせる方法があります。
- エコノミークラスの予約クラス:B/H/K/Y
ただし、こちらの予約クラスのチケットで購入された方限定です。
また、ダイナミックパッケージなど一部のツアーをご利用の場合は対象外となります。
これ、エコノミークラスのチケットといえども、この予約クラスのチケットは結構高い値段設定がされているチケットです、格安航空券ではまず無理です。
とはいえ、出張などでこれらのチケットを手にして海外に行かれる方には有用な方法です。
▼片道あたり、アップグレードに必要マイル数はこちら(一部路線のみ抜粋)
方面\種類 | 通常 | 空港当日 |
東南アジア | 15,000 | 12,000 |
ヨーロッパ | 20,000 | 16,000 |
北米 | 20,000 | 16,000 |
通常のアップグレードに必要なマイル数よりも若干少ない、空港当日アップグレードディスカウントキャンペーンもあります。
空港で当日アップグレードができるのは、当然ながらプレエコに空席がある場合に限りです。
確実にプレエコを利用したい方は、少し必要マイルが多いですが、事前にアップグレードしておいた方がいいですね。
※なお、出発当日に空港でエコノミークラスからビジネスクラスへとアップグレードした場合は、空港ラウンジは利用できません。
差額を当日払えば乗れる!有償チケットを追加料金で当日空港アップグレード
マイルを持っていない方でも、お金さえあれば出発当日に空港でアップグレードができる方法がこちらです。
「空席があれば」という条件は付きますが、「ちょっと疲れてるから機内でゆっくり休みたいなぁ」と急に思い立ったときはありがたい手段ですね。
▼金額は片道あたり
出発・到着地 | 日本発 | 現地発 |
ニューヨーク | 40,000円 | 350ドル |
ホノルル | 40,000円 | 350ドル |
ロンドン | 40,000円 | 290ポンド |
パリ | 40,000円 | 330ユーロ |
バンコク | 20,000円 | 6,200バーツ |
※なお、出発当日に空港でエコノミークラスからビジネスクラスへとアップグレードした場合は、空港ラウンジは利用できません。
差額なし!有償チケットを無料で当日アップグレード(インボラ)
これが一番いいやつ、うらやましいやつです!
チェックインカウンターや搭乗ゲートで「お客様…」と呼び止められて、無償でプレミアムエコノミーにアップグレードしてもらえるやつです。
”インボラ”(インボランタリー・アップグレード)と呼ばれるサービスです。
エコノミークラスが満席オーバーもしくは満席に近い状態のときにこのインボラは起こるのですが、こんな方がインボラされやすいという情報もあります。
- 1人で搭乗
- 身なりがキレイ
- 上級会員
私自身、過去に一度だけホノルル行きでインボラされたことがあります。その時は妻と2人で、上級会員でもなく、ただの一般会員でした。
エコノミークラスで取った特典航空券を、プレミアムエコノミーに変更することもできる!
一度エコノミークラスで取った特典航空券を、プレミアムエコノミーに変更することができます。
- プレミアムエコノミーへの差額マイルが必要(片道の場合は半額)
- 電話での変更となるため、変更手数料が必要
実際にこの方法を利用して、次回のニューヨーク旅行の復路をプレエコに変更しました。
- 【変更前】行き:ビジネス/帰り:エコノミー
- 【変更後】行き:ビジネス/帰り:プレエコ
ニューヨーク行きのチケットを発券した時点では「片道ビジネス・片道エコノミー」を取るだけのマイルしか無かったんです。
特典航空券発券 家族でマイル旅行、ニューヨークへ!JALビジネスクラス4席の特典航空券を発券
その後、モッピーで貯めたJALマイルが増えてきて、復路のエコノミーをプレエコへと変更するだけのマイルが貯まったので、空席があることも確認し、晴れてエコノミーからプレエコへと変更しました。
【イチから始める】ポイントサイトでJALマイルを貯める手順!
家族4人で30,000マイルを追加するだけで、帰りはプレエコでゆったりです!
往復でトータル330,000JALマイルを使った豪華なビジネス・プレエコ旅行になりそうです。
違いを感じる。JALプレミアムエコノミーで、ちょっとの贅沢を楽しもう!
プレミアムエコノミーは、ビジネスクラスよりもカジュアルに肩肘張らず、またエコノミークラスよりも窮屈にならず、ちょうどいいバランスです。
ちょうどいいバランスと心地よさで、ちょっとの贅沢を楽しめる座席クラス。
普段ビジネスクラスに乗られている方なら「次からもプレエコでいいや。むしろプレエコのがいい」と思ってしまうかもしれません。
普段エコノミークラスに乗られている方が、もしプレエコに一度乗られたら、もうプレエコにしか乗れない体になってしまうかもしれません。
もちろんそうなってしまった場合でも、当方はその責任を負いかねます。
しかし、マイルを使ってプレエコに乗れるようなお手伝いならできそうです。
特典航空券をプレミアムエコノミーで取ることも、エコノミークラスで一度は発券した特典航空券をプレエコに変更することも、マイルに余裕があれば、気軽にできるようになります。
マイルはたくさん持っておいて損はしません。大量のマイルなら、なおよしです。
次回のご出張、ご旅行は、ぜひJALプレミアムエコノミー、ちょっとの贅沢をお楽しみください。
マイルに余裕があれば、ちょっとの贅沢も、簡単に手が届くようになります。